高意匠サイディングって何?
現在、戸建て住宅の8割はサイディングの建物です。
サイディングとは英語のsiding(外壁)が語源で、サイディングボードとも呼ばれます。
外壁にサイディング板を貼った建物で、目地や開口部(窓回りなど)にシーリングが施工されたお家のことです。
シーリングのことをコーキングと呼ぶ方もいますが、通称では、あらかじめ形が決まっているものをシーリング材(シーリング)と呼び、チューブ容器に入っていて専用の押出し機であるコーキングガン(caulking gun)で施工する樹脂性の物をコーキング剤(コーキング)という事が多いようです。
ですが、「コーキング」と「シーリング」は建築現場では同義語として使われる事が多く、建築現場では、職人の年代や所属している会社などによって使い方は変わり、厳密には決まっていない、というのが実情です。
高意匠サイディングとは何かというと、簡単に言えば無機やフッ素、光触媒などの表面処理されたサイディング板のことです。
難付着サイディングと呼ばれることもあります。
外壁材のメーカーも塗料と同じで長寿命の製品を開発し、現在使用されているサイディング板のほとんどがこのタイプになります。
何が問題かと言いますと、汚れなどが付着しにくいという反面、塗料の密着が悪いという欠点があります。
そのため通常の塗装をしてしまうと、将来剥がれが起こる可能性があり問題になっています。
高意匠サイディングの見分け方など、大手塗料メーカーである日本ペイントさんから説明がありますのでご覧ください。
サイディングは大きく3つに分類することができます
サイディングは大きく3つに分類することができます。
まずは窯業系サイディングです。
一般的に最も使用されてきたサイディング板です。
この窯業系サイディングが進化したのが高意匠サイディングと呼ばれるものです。
金属系サイディングは一般の方でも見分けが付くと思いますが、金属でできた外壁材です。
高意匠サイディングであるかどうかを見分ける方法がいくつかありますのでご説明します。
①サイディングボードにコーティング処理されていることがわかった
これは製造メーカーへ使用している外壁材がわかれば問い合わせすることで把握できます。
②10年以上経過しているが、チョーキングしていない
チョーキングとはチョーキング現象のことで、触ると白いチョークの粉のようなものが付着する現象で塗膜の劣化を意味する現象のことです。
塗装工事をする目安になっていましたが、現在はほとんどチョーキング現象が起きないようになっています。
お客様ご自身でも判断することが可能です。
③10年以上経過しているが色褪せしていない
経年劣化によって、外壁に色褪せなどの症状が現れます。
ですが、高意匠サイディングは紫外線などからの劣化を防ぐための表面処理がされているため色褪せが見られないものが多いです。
一般の方でもこの判断は可能です。
④塗料用シンナーで拭いても溶けない
塗料の希釈に使用する塗料用シンナーで拭くと、一般的な窯業系のサイディングであれば溶けます。
溶けて色が変化したり、また拭いたウエス(布)などにも色が付着します。
このような判断基準がありますが、塗装業者が見ても判断が難しい場合もあります。
そのような場合は基本的に高意匠サイディングであると判断し、専用の下塗り材を使用することをお勧めしております。
高意匠サイディングであるにもかかわらず、一般的な窯業系サイディングであると判断してしまうと取り返しがつかなくなる場合があります。
逆に言えば、どのようなサイディング板であっても、日本ペイントのファインパーフェクトシーラーを使用すれば塗装ができるということになります。
高意匠サイディングにはクリヤー塗装も可能
高意匠サイディングはその意匠性を活かすために多彩色になったものが多いです。
塗りつぶしでの塗装となるとその特長をなくしてしまうため、意匠性を活かす塗装方法がクリヤー塗装です。
クリヤー塗装というのは簡単に言えば透明な塗料を塗布して、その意匠性(見た目)はそのまま維持することができる塗装です。
ただし、使用できるには条件があり日本ペイントさんが推奨しているのは築10年以内の健全な状態であるということです。
要は劣化などがあまり見られない良い状態であればクリヤー塗装が可能ということであり、外壁に色褪せや補修などがない状態を意味します。
補修跡があるとクリヤー塗装はそのまま残ってしまうため、塗りつぶし塗装のようにはいきません。
タッチアップ補修(部分補修)で悪い箇所を補修してクリヤー塗装することも可能ですが、基本的には状態が良ければ可能ということです。
クリヤー塗装をお考えのお客様は早めの塗装をお考えください。